・マッサージの効果

①関節拘縮の予防と改善(関節可動域の維持および拡大)

寝たきりになってしまった高齢者の関節がすぐに固くなり、可動域の制限がおこるのは周知の事実です。そのまま放置しておくと廃用性の骨折をおこしたりオムツ交換が困難になったりとさまざまな問題が発生します。マッサージはその問題点をもっとも安全に効率よく改善することができます。関節可動域を拡大し、ADL(日常生活動作)を確保します。

②血液、リンパなどの循環改善および心肺機能の維持改善

麻痺などの後遺症で運動が極端に不足すると心肺機能が約30%から50%も低下するといわれています。また、それにより全身にむくみがおこったり組織の壊死(褥創)がおこる可能性があります。マッサージにより体循環の改善をおこない浮腫を予防、改善します。また、それによりカラダの自然治癒力を高めます。

③筋力の維持・増強

関節拘縮とならんで高齢者の身体的問題に挙げられるのが筋力の低下です。

「つい先日まで座ることができたのに、今は寝返りもできない...」

きらり鍼灸マッサージ院ではどんな重度の寝たきりの方でも筋力の低下を防ぎ、基本的動作の維持につとめます。

 

④疼痛の緩和

脳卒中後遺症や脊髄損傷等、ベッドで寝てばかりいる患者様のモチベーションを低下させる大きな要因のひとつが痛みです。褥創による痛み、神経痛、関節痛などなど。

マッサージはこれらの痛みを抑える効果があります。また、手でふれることで精神的な安定効果も得られます。

⑤心理的効果

歩行困難で外出困難な高齢者はとくに外部とのコミュニケーションを強く望んでいます。しかし、言語障害や認知症により意思の疎通ができずにどんどん内面に閉じこもっていく傾向があります。私たちの治療は直接からだに触れて行います。マッサージによる安心感と心地よい刺激、そしてなにげない日常会話や専門的なアドバイスにより信頼関係を築きモチベーションを高め、内面のケアを重視しながらその人らしさの回復につなげます。